神戸市東灘区御影 徐小児歯科 日本小児歯科学会専門医 八木成徳

徐小児歯科

よくある質問

■その他

●外傷歯

これから暖かくなるという頃になりますと、しばしば外傷、すなはち転倒や衝突などによって歯を打って来院される方が増えます。

これは季節によって受傷頻度が変わり、春先や秋口に多く見られます。活動しやすくなり頻度が増えるのでしょうね。

また、一度受傷される方はまた受傷されると言うように同じ患者さんが複数回されることも特徴かと思われます。

では、どのようなものが多いかと申しますと、歯を打ってグラグラしたり欠けてしまう場合が最も多く。それから乳歯に多いのですが、歯の位置が動いて変位するという場合、そしてもっとも重症なのが抜け落ちてしまう場合です。乳歯の場合は生え変わりの時期もあり、実際はそうんなに気にしなくてもいい事も多いのですが、ちゃんとレントゲンをとって次の永久歯の位置を確認されるのがいいかと思われます。

われわれが最初に来院して大まかに軽症か、重症かを判断するのに顔の損傷を見ます。鼻血が出て唇もはれているような場合は、見た目は派手ですが、唇などの軟組織が歯を守ってくれていますので、予後はいいです。唇は毛細血管が多いのではれは結構すごいのですが、引くのも早くほとんどの場合は2~3日で元通りになります。対して見た目はそんなにひどくなく直接歯に打っている場合は結構ダメージが大きく、歯が割れていたり、クラックが入っていることが多いです。

また、歯が抜け落ちてしまった場合ですが、今は再植と言いまして元通りにつけることが出来ます。ただ、これは時間との戦いになります。1時間を過ぎてしまうとまず再植することが難しいと考えてください。それと抜け落ちた歯の保存方法によっても予後が大きく異なります。一番いいのが、歯の根っこを牛乳で軽く洗い抜け落ちた所へ差し込んでいただくとよいかと思います。お子さんの年齢が低くそのようなことが出来ない場合は牛乳に入れて根っこが乾かないようにしてすぐに歯科医院へ行ってください。間違っても水道水で洗ったり、保存しないようにしてください。

どのような場合でも早期に歯科医院を来院されることをお勧めします。

それでは実際に受傷して、ぐらついたり抜け落ちたりした場合、下の写真のように矯正線で約1ヶ月弱固定します。その後固定装置をはずせばおしまいです。

ただ、受傷して約1ヶ月くらいで歯の色が全体的に茶色や黒くなってくることがありますが、根が膿まない限り根の治療は不要と考えます。

左の写真が受傷直後のものです。以前も受傷歴があるのが右上の歯の色が違うことから推測されます。
左写真は固定したところです。

下の写真は外傷で完全に歯が抜け落ちてしまった場合です。

3歳の女の子です。完全に歯が脱落して来院しました。

すぐに再植固定しました。

約1ヵ月後です。レントゲン上でもうまく固着していました。

矯正線をはずしたところです。しっかりと固着して問題はありません。